REPORT

「自分だけの『見方』をつくる」第9回 写真作品をつくる


作品として仕上げるということ
写真家の濱田祐史さんがメイン講師を務める、写真のクラス「自分だけの『見方』をつくる」。このクラスでは、濱田さんと10代の生徒の皆さんが、様々な実践や実験を通して写真表現に挑戦し、「写真」という存在を改めて捉え直していきます。そのプロセスを繰り返しながら、一人ひとりが社会に向ける「見方」のあり方を探っていきます。

10月12日(土)の第9回授業では、10月末の成果展に向けて、引き続き写真作品を制作していきます。一人一枚、同じフォーマットの上で写真をコラージュし、自分の「見方」を表現。そして今回はタイトル付けにも挑戦し、作品を完成させていきます。




つくり手同士の会話からタイトルを探る
今回の授業のゴールは、作品を完成させることと、タイトルをつけること。成果展を約2週間後に控えた中、生徒の皆さんは手を動かしながら、成果展に来てくれる鑑賞者の立場に立ってお互いの作品への印象や疑問を挙げていきます。

「友達たちのことを撮る時、どんな気持ちだった?」「暗い写真が多い分、1枚だけ明るいこの写真に目が止まるね」、「最近読んだ本の一節がこの写真たちと重なる気がする!」。これまで向き合ってきた視覚表現に言葉を与えていく作業を、生徒同士の会話の中で進めていきます。それぞれの作品に写しているものを改めて捉える機会となり、自ずとタイトルのアイデアも段々と浮かび上がってきているようでした。



成果展全体のイメージを掴む
今回はメイン講師の濱田さんに加えて、成果展のグラフィックデザインを担当するデザイナーの星加陸さんも参加。会場の三井本館前に掲示する告知ビジュアルのラフ案を持ち寄り、実際に作品が展示される成果展全体のイメージを広げていきます。

ラフ案は生徒の皆さんの写真作品が1枚ずつコラージュされたもの。「皆さんの成果展だから、皆さんの意見を聞きたくて」という星加さんに向けて、生徒の皆さんも細かな相談やリクエストを伝え、展示に向けての士気もより高まっていきます。



成果展に向けて制作は続く
6月からの授業の振り返りにもなるような会話を通してタイトルを考えながら作品制作を続けていった今回。約4ヶ月の撮影の成果をまとめるにはまだ時間が足りなかったようで、以降、10月23日(土)から始まる展示に向けて、授業外の時間も活用して、引き続き生徒の皆さんによる自主的な制作は続いていきます。

執筆:杉田聖司
撮影:髙木紗希

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