REPORT

「自分だけの『見方』をつくる」第2回 撮影


まず自由に撮影してみる
写真家の濱田祐史さんがメイン講師を務める、写真のクラス「自分だけの『見方』をつくる」。このクラスでは、濱田さんと10代の生徒の皆さんが、様々な実践や実験を通して写真表現に挑戦し、「写真」という存在を改めて捉え直していきます。そのプロセスを繰り返しながら、一人ひとりが社会に向ける「見方」のあり方を探っていきます。

7月6日(土)の第2回授業は、一人1台のカメラを手に、自由に日本橋の街を撮影。その成果を持ち寄り、それぞれの街の「見方」の違いや重なりに目を向けていきました。




そもそもカメラとは?
撮影を始める前に、まずはメイン講師の濱田さんによるレクチャー。私物の大判カメラを例に、カメラはどのように像を写しているのか、どのように紙に定着させているのか、どのように光を活用しているのか。実際に覗いたり、操作したりしながら、その原理を体感していきました。初めて見る大判カメラに生徒の皆さんも興味津々の様子でした。

レクチャーを頭の中で巡らせながら、生徒の皆さんは授業で使うカメラを選びます。「こんな写真が撮りたい」というイメージを濱田さんにも相談しながら、富士フイルムさんから提供いただいた3種類のカメラの中から、一人ひとりが自分に合ったカメラを選んで手に取り、撮影に向かっていきました。







街の「見方」から、自分の「見方」を探る
1時間ほどの撮影を終え、教室に帰ってきた生徒の皆さん。日本橋の街を写したそれぞれのデータから印象に残った写真を選んで発表していきます。通行人、クラスメート、高層ビル、神社、監視カメラ、タピオカ、七夕の笹など、そこに映るものは様々。生徒の皆さんが街の中で「何を見ている」のか、それぞれの着眼を捉えていきます。

発表では、全員で写真を見ながら、生徒の皆さんそれぞれが「どのように見ているのか」という話題にまでおよびます。例えば、通行人の写真でも、目の前の人を正面から撮る人もいれば、横断歩道を挟んだ遠くにいる人を撮る人、室内から窓越しに歩く人を撮る人、トラックの車体に反射した人を撮る人など、切り取り方も様々。何を、どのように見るのか。複数の観点から、それぞれの「見方」の癖を掴んでいきました。

普段はスマートフォンで写真を撮ることの方が多いという10代の皆さん。本格的な機材を使ってみると、そこに新鮮な発見も感じることができたそう。ズーム機能のついていないカメラを使った生徒の方からは「自分の身体ごと被写体に近づきながら撮ってみたら写真はぶれてしまったけど、なぜかそれがおもしろくて沢山撮ってみた」という声も。それぞれの「見方」にはカメラとの関係性も強く影響があるようです。




次回はフィルムカメラでの撮影と現像に挑戦
授業の最後には、濱田さんの私物のフィルムカメラ、富士フイルムさんのフィルムが生徒の皆さん一人ひとりに手渡されます。次回授業までに生徒の皆さんはフィルムカメラでも撮影を行います。そして次回授業ではそのフィルムの現像に挑戦。自分の「見方」を作品として形にしていきます。

執筆:杉田聖司
写真:髙木紗希

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