REPORT

関係美食論 第2回 食べものを「関係」として捉えるとは?

関係を口にするということ
「関係美食論」の教室は、馬喰横山のミシュラン1つ星レストラン「nôl」。シェフ 丹野貴士さんをメイン講師に迎え、東京という都市で育まれた地元の食材や生産者との出会いを通じて、料理を生み出していきます。そのすべてを東京産でつくることを目指し、クラスの最後には「一汁三菜定食」をクラス全体で考案していきます。

シェフと生産地と生産者の関係性
9月28日に開催された第2回授業では、講師を務める丹野さんがなぜシェフを目指したのか、これまでどのようなレストランで働いてきたのか、「nôl」ではどのような料理が提供され、どのような取り組みをしているのか、など丹野さんが歩んできた軌跡をじっくりお話しいただきました。

「フランスには何もよくわからず飛び込んでしまった。運良く日本人が経営する3つ星レストランに入ることができ、そこからは怒涛の修行だった。飛び込んでみる、という経験は本当に大切だと思う」と、当時の写真とともに振り返ります。鎌倉で「Restaurant Takashi Tanno」のシェフに就任したときは、地域と連携し畑に通い生産者との関係構築に向き合ってきたと語る丹野さん。外からやってきた「よそ者」として地元のコミュニティに入り込んでいく難しさや、生産者との関係作りの繊細さにも触れ、クラスで実施するフィールドワークに向け生徒たちも心構えをしていきました。

出会ったことのない味と出会う
休憩後は、コンポストの匂いを嗅いでみたり、料理に使用する調味料をじっくり眺めたり、普段は立ち入ることのできないキッチンを見学。乾燥調味料の数々を指差し「これはなんですか?」と興味津々な面持ちで丹野シェフに質問をぶつけていました。

その後、根まで無駄なく使用した「蕪のスープ」と葛の花びらを試食。葛の花びらの苦味や、蕪のスープの濃厚な味わいに驚きつつ、その体感したことのない味わいを言葉で表現しようと向き合いながら味わう姿が印象的でした。

第4回授業のフィールドワークに向け、「東京都内の生産地をリサーチしてくること」が次回授業までの宿題です。

執筆・撮影:松村ひなた