「花あそ部」 第5回 日向雄一郎さん
「花あそ部」は花いけジャパンプロジェクトによるいけばなのクラス。ゴッホやベートーベン、シェイクスピアにガウディ。様々な芸術家になぞらえた授業を通して、花といういきものと向き合う「いけばな」の表現を学んでいきました。そんな「花あそ部」の最終回は、GAKUから飛び出て渋谷PARCO中が発表の舞台。「あなたの花 hanaike trip」という授業テーマのもと、1階のエントランスと9階の共有スペースの2つの場所を使って作品を展示しました。
エントランスでは、茨城県の農家さんを訪れて制作した「ちのわ」に花をいけました。「ちのわ(茅の輪)」は日本では古くから、穏やかで健やかな生活を送ることができるようにと願いを込め作られたもの。8月7日の「はなの日」にちなんで、この場所を行き交う全ての人々の安寧を願って制作されています。渋谷PARCOを訪れる人々を迎えるものとなりました。
もう1つの発表の舞台は、GAKUがある9階、渋谷の街が一望できる大きな窓の前となります。「街の景色を感じながら、花をいけてみましょう。そしてその景色を借景して、作品を展示していきましょう。花は、時間が経つと萎れてしまうとても瞬間的なものです。それは皆さんがこの場所に集まったことも同じ。そんな瞬間的で、奇跡的なことが集積していくことで街は作られていく。そんな感覚も大切にしながら、花をいけてみて欲しいと思います。」(事務局の意訳です♩)「花あそ部」を主宰する花美術家・日向雄一郎さんのそんな言葉から、制作がスタート。色、形、雰囲気、季節、想い。様々な切り口から、感じたことを花で表現していきます。作品が1つずつ並べられていくと、その場所の風景が様変わりしていきます。みちゆく人も足を止めて制作風景を見守る。GAKUの教室を飛び出たからこそ。いけられた花の存在感があるからこそ。思わぬ出会いも生まれます。
「皆さんが自分の花をいけ、今日1日この場所で展示する。それは紛れもなく、皆さんがここにいたことの証です。このことが皆さんの中で、記憶としても残り続けてくれたらとても嬉しいです。今回の『花あそ部』は今日で終了ですが、これからもいろんな形で、花をいけることの素晴らしさとその意味を、一緒に探ることのできる場を作っていきたいと思います。皆さんとも、またお会いできることを楽しみにしています。ありがとうございました。」(事務局の意訳です♩)日向さんからのそんな言葉で、最終回が締めくくられました。「花あそ部」のこれからも、とても楽しみです。お疲れさまでした!ありがとうございました!