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「花あそ部」 第4回 平間磨理夫さん

「花あそ部」は花いけジャパンプロジェクトによる「いけばな」のクラス。ゴッホやベートーベン、シェイクスピアにガウディ。様々な芸術家になぞらえた授業を通して、花といういきものと向き合う「いけばな」の表現を学んでいきます。

2021年7月17日(土)には、花あそ部第4回授業「ワタシノガウディ 心と身体を動かす」を開講しました。講師は華道家の平間磨理夫さんです。

「今日は、自分の表現したいことをしっかり考えながら、心と身体を動かしながら、自分たちと同じ『いのち』として、花と向き合ってほしいと思います。今回のテーマは建築家・ガウディです。約100年も前に作られたガウディの建築が今も残っているのは、人の心に残り続けているから。花は、いけてもすぐに枯れてしまう。でも誰かの心に残れば、ガウディの建築のようにその人の中で咲き続けることができます。今日は花をいけることを通して、そんなふうに自分の中で少しでも心に残るような感覚を味わってほしいと思います。」(事務局の意訳です♩)そんな平間さんの言葉から、今回の授業はスタート。

建築物をつくることを「建てる」といいますが、実は花をいけることも「たてる」と表現します。花をたてる、は「たてまつる」からきていて、昔から世界中で、神様に感謝や祈りを込めて花をいける文化があったのだとか。一見全く違うもののように思えますが、実は「たてる」という言葉で繋がっている建築といけばな。はじめに、実際に平間さんが花をたてる様子をみながら、その2つに共通すること、異なることを考えていきました。

「建築もいけばなも、空間をつくるものだと思う。」
「花は生きているけど、建築物は生きていない。そこが違いだと思います。」
「建築は心に残らなくても覚えられるけど、いけばなは心に残らないと覚えられないかな。」
一人一人発表してみると、それぞれ異なった意見が。お互いの考えをシェアし合うことで、花をいけるとはどういうことなのかが、少しずつ浮かび上がってくるようでした。

そんな個々の思いを膨らませていきながら、次は実際に生徒の皆さんが花をいけることに挑戦します。花に触れて、実際に手を動かすことで、想像できなかった花の見せ方や組み合わせを発見したり、新たなイメージが浮かんできたり。そんなインスピレーションやときめきも大切にしながら、自分の表現を模索していきます。「この花はどんな気持ちでいけたの?」「植物の向きをもう少し変えてみると花がもっと美しく見えるかも。」講師の方々からそんな投げかけやアドバイスも。じっくりと時間をかけて花と向き合うことではじめて見えてくる、その表情の変化を感じながら、そもそも自分はどんなものに惹かれているのか、自分にとって美しいとはどういうことなのか。普段当たり前に感じている自分の価値観や感性も、花を通して改めて見えてくるようでした。

「花はそのままでも美しい。だけど、花をいけるということは、それ以上に魅力的なことだと思います。どうしたらもっと美しくなるだろうと工夫しながら、花とつきあっていくことをこれからも楽しんでほしいと思います。」(事務局の意訳です♩)最後には、平間さんからそんなお話をいただき、今回の授業は終了しました。

 

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