REPORT

「東京芸術中学」第9回 菅原小春さん(前半・後半)

編集者・菅付雅信さんと15人の世界的クリエイターによる、「本物のクリエイティヴ」に出会うアートスクール『東京芸術中学』。2020年10月17日、31日の授業では2日間に渡って、ダンサー/振付師の菅原小春さんをゲスト講師にお招きして開講しました。

「とりあえず、踊りというのはよくわかるものではないので、“学ぶ”、というより“触れる”という意味で。いっぱい音楽をかけて、ひたすら踊りましょう。何か教える、というつもりは全くないので、考えずについてきてください。」(事務局の意訳です)

そんなフレーズから始まった1回目の授業。体育の授業でしか踊ったことのない受講生の体がどんどん躍動していく中で、自然と事務局メンバーも体が動いていました。

とても言葉では語り尽くせない熱気が、会場中に漂う2時間半。

「自分のからだをみつめること」「ただ動かすのではなくて気持ちを入れること」「見つめるとき、その奥を見ること」「見えないことを大切にすること」

見よう見まねで始まりながら、からだを動かしながら、菅原さんの一言、一言が、頭というよりも体に入っていくようでした。

2回目の授業では、チームに分かれてダンスを創作。それぞれが、それぞれの踊りを踊りはじめていきます。言葉数は少ないものの、なんだかとても豊かなコミュニケーションの時間です。

チームごとの創作ダンスの発表も、自ずと真剣。そして暖かな拍手が送られます。「他のチームのダンスを見てどう思った?」そんな問いかけにも、すぐ答えられるのは、自分でも工夫をしているからこそ。

「今日で最後の授業だよ、なんでも聞いて!」そんな呼びかけに、踊り切った受講生たちからのたくさんの質問、そしてそれらへの真摯な応答がひろがります。

「踊っている時はうれしいっていうけど、それってどんなうれしさですか?」「菅原さんにとって表現することってどんなことですか?」「ダンス以外に熱中したものはありますか?」「人に認められてない時、どんな風に思っていましたか?」数々の質問に、ご自身の人生を振り返りまっすぐに答えながら、時に問いかけてもくれます。

「踊りでも、なんでもとことん1つに向かって集中するパワーやエネルギーで、日本は表現にまみれた、もっといい国になっていくと思うから。何か生み出す、作り出す、というのはとても大事なこと。生きてること自体が表現なんだけどね。とにかく、自己表現を止めないで欲しい。」(事務局の意訳です)

からだの芯から勇気付けられた、そんな授業でした。


菅原さん、アシスタントさんと、ディレクター・菅付雅信さん率いる東京芸術中学スタッフの皆さんの授業の終わりの1枚。

 

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