REPORT

「東京芸術中学(第4期)」第25回 色部義昭さん


アジア最大規模のデザイン事務所、「日本デザインセンター」を訪問
編集者・菅付雅信さんと13人のクリエイターによる『東京芸術中学』。12月7日は、「日本デザインセンター」にてアートディレクターを務める色部義昭さんによる第一回目の授業。実際に、銀座に位置する「日本デザインセンター」のオフィスを訪れ、デザインが生まれる現場を体感しました。



馴染みのデザインが生まれた場所
クロネコヤマトやトヨタのロゴ、アサヒビールの缶やYAYOI KUSAMA STOREなど、日常生活の中で私たちが見慣れた、馴染みのあるデザインの多くが実は「日本デザインセンター」が手掛けた作品だったと知り、驚く生徒の皆さん。無料ダウンロードが可能なピクトグラムのステッカーを手にし、どのデザインが好みか話し合う姿が印象的でした。

直径6.5メートルある丸テーブルが特徴の図書館も見学させてもらいます。創設60年を迎える「日本デザインセンター」がコレクションしてきた蔵書がびっしりと並ぶ風景は圧巻。色や形に現れるデザインというものの背景にある膨大な知見や歴史を窺い知れます。



デザインに向かう態度を養う
様々な作例やリサーチ例とともに、「出会いを大切にし、素材が持っている魅力やブランドが持つ思想をデザインに置き換える。そして、できる限り同じ表現を使わないようにしています」と言い、「またとないを楽しむ」ことが色部さんのデザインの根本にあると語ります。

「中学時代は実は建築家になりたかったんです」という色部さん。その後、アーティストを目指し芸大に入学したが、デザインの道を進むことに。「SNSや動画が主流な時代だけれど、動画で使う脳の動きと、本で使う脳の動きは全く異なる。能動的に情報を取りにいくことができる本は、中学時代出会ってよかったと思うもののひとつです。皆さんにもぜひたくさんの本を読んでもらいたいな」と言葉を贈り、授業の締めくくりとなりました。

執筆・写真:松村ひなた

東京芸術中学(第4期)クラスページはこちら