REPORT

「東京芸術中学(第2期)」 第27回 片山正通さん


課題は「あなたらしさが表現された、あなたが行きたいお店をデザインする」こと
編集者・菅付雅信さんと13人の世界的クリエイターによる『東京芸術中学』。11月19日(土)は、インテリアデザイナーの片山正通さんによる2回目の授業です。

ご自身の生い立ちから始まる講義で、片山さんの人間観とそのクリエーションに触れた前回の授業。さらには片山さんガイドによるPARCO館内ツアーも敢行。生徒のみなさんも「インテリアデザイナー」という新たな視点から慣れ親しんだPARCOを巡り学びを深めていきました。今回はそんな前回を踏まえた課題発表。課題の内容は「あなたらしさが表現された、あなたが行きたいお店をデザインする」ことです。





想いの強さに比例する、デザインの面白さ
「『なぜこのデザインにしたのか』。その想いが強ければ強いほどデザインも面白くなる。失敗なんてありません。楽しんで発表してください」。そんな片山さんのコメントとともに課題の発表がスタート。

「10代がもっと気軽にPARCOに遊びに来れるように」「自分の部屋のようにカスタマイズできるカフェ」、「コミュニケーションが苦手な人でも買い物を楽しめる」ために「無人販売のショップ」、「ゆっくり休憩できる」ように「竹や障子を用いた和室調の休憩スペース」、「大好きな文房具をPARCOでも見たい」から「ブティックを模した文房具屋」など。「どんな人のために、どんな効果を狙って、どんなこだわりを持って」デザインしていったのかをそれぞれが発表していきました。

「どんな時にこのコンセプトを思い付いたんだろう?」「このデザインのインスピレーションは何かあるかな?」。発表を終えると片山さんからはそれぞれの課題を深掘りする質問が投げかけられます。生徒のみなさんは片山さんとの対話を通して考察が深まるようでした。


インテリアデザイナーの視点でPARCOを巡る
「前回も言った通り、みんなの視点、変わってる。インテリアデザインだけに限らず、もっと広い視点で課題に取り組んでくれました。『想像を超える』のではなく『想像と全く異なる』こと、それってクリエイターとして素晴らしいこと。みんなの発表を通して僕自身も刺激を受けました」。と、片山さん。課題発表の「想定外」の内容に喜びつつ言葉を贈ってくれます。既存のものの延長線上にあるものではなく、枠組みから飛び越えていくこと。はみ出すための勇気も、はみ出したものへの理解も。これからのクリエーションにとって欠かせないものとして感じられました。


デザインを立体的に学ぶ芸中
これまでグラフィックデザインや写真といったビジュアルクリエーションに挑戦してきた生徒のみなさん。今回、インテリアデザインに取り組むことでデザインに関する理解度がますます深まっていったようでした。

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