REPORT

「都市映像群」第6回 最終上映会

上映会を通して、3ヶ月間の活動を振り返る
「都市映像群」は、都市を舞台に視覚表現を探求するプロジェクト「都市へのユーモア」の一つとして実施している映像表現をテーマにしたクラス。講師には映像作家の斎藤玲児さんをお招きし、日本橋の街を拠点にしながら映像表現を学び、実践していきます。

およそ3ヶ月間にわたり開講してきたこのクラスも、いよいよ最終回。6月6日の授業では、「風景を取り戻すために」をテーマに制作された最終作品の上映会を行いながら、一連の活動を振り返りました。

それぞれが「風景」の先に見ているもの
活動の集大成として持ち寄られた映像は、全部で13作品。尺で換算すると約43分。作り手のコメントも交えながら、1作品ずつ上映されていきました。

風景を取り戻すために。最終作品のテーマであるこの言葉は、講師の斎藤さんがこのクラスの開講時に寄せてくださったメッセージの表題でもあります。そして、そのテキストはこのような言葉で締めくくられます。「それでも、自分が見た風景は自分のものだと思います」。自分の見た風景。「自分のもの」と思える風景。それはどのようなものなのか。そもそも、私たちは風景というものをどのように捉え、関わっているのか。およそ3ヶ月間にわたるこのクラスでの活動や個々の制作は、映像表現の探求を通した、そのようなことの見つめ直しでもあったように思います。

例えば、「その土地ごとの時間の流れやリズム」から風景を捉える。「あの風景をもう一度見たい」「忘れたくない」という自分自身の記憶や想いを見つめていくことから風景を捉える。「街なかで自由に身体を動かす/踊る」ことで都市に能動的に関わっていくことから風景を捉える。というように、映像を通して、それぞれが「自分の見た風景」を捉えていくための方法が見出されていく様子がとても印象的でした。

制作と鑑賞を往復した3ヶ月間
それぞれが自身の暮らしの中で撮影や編集行為を進めながら、授業を通してそれらを持ち寄り鑑賞し合う。つくることと観ること。それを往復しながら映像表現を探求していったおよそ3ヶ月間。活動の締めくくりとして、斎藤さんから生徒の皆さんの今後を後押しするようなメッセージが贈られ、授業が終了しました。

「それぞれに経験したことや過ごした時間を持ち寄る。その時間は、個々の人生といってしまっても良いと思います。そういったかけがえのないものが、映像を通して再生されて共有されるということ。本当に貴重なことだったと思います。自分は、世の中にある映像作品のほとんどはあまり好きになれないのですが、みんなの映像は本当に、どれもすごく好きです。消費や管理に回収されない表現。ぜひこのままのみんなで、いろんな創作に取り組んでいってもらいたいです」。

「都市へのユーモア」プロジェクトの合同作品展を開催
授業としては今回で一区切りとなりますが、6月13日(土)から、「都市へのユーモア」プロジェクトのもう一つのクラス「グラフィックデザインの拡張」と合同での作品展示会を開催します。会場は、両クラスの授業実施場所でもあった宮永ビル。同じ街を舞台に視覚表現を探求した2つのクラスが、まさにその活動の拠点になった場所で展開されていきます。

撮影:吉田陽馬(GAKU事務局)
執筆:佐藤海(GAKU事務局)

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