「EDIT CITY 都市の探検と編集」第7回 企画会議
それぞれが本の中で表現したいテーマを深めていく「企画会議」
「EDIT CITY 都市の探検と編集」は編集のクラス。講師を務めるのは、編集者の山若マサヤさんです。紙媒体を作り上げることの可能性や、街を面白がる様々な視点を学んでいきながら、全12回の授業を通して生徒一人一人が都市を舞台にした本づくりに挑戦していきます。
10月26日(水)は、第7回「企画会議」を開催。会場は、本づくりの舞台となる有楽町に位置するコミュニティスペース「SAAI Wonder Working Community」です。有楽町の街でのフィールドワークを経て、個々が表現したいテーマを手にしていった前回。今回はそれぞれの絵コンテを持ち寄り、それらのテーマを共有しながら、本をつくるための具体的な検討に入っていきました。
街とどのように関わり合っていきたいのか
本を通してどんなことを伝えていきたいのか。「前回のフィールドワークで、素敵な店構えの喫茶店をいくつも見つけた。私は喫茶店にふらっと入ってお店の人や常連さんから話を聞くのが好きなので、有楽町でもやってみたい。街中の喫茶店を巡って、そこで聞いた興味深い話とともにお店を紹介する記事を作りたい」「新しいものと古いものがごちゃ混ぜになっている街の雰囲気が、自分はすごく好きだなと思った。有楽町の風景と、そこからインスピレーションを受けて書いた詩やファッションスタイリングを組み合わせて、街の味わい深さを表現してみたい」。と、有楽町の街での発見も振り返りながら、個々のテーマを共有していきます。
このクラスは、生徒の皆さんが有楽町のお店や人そして歴史など様々なものと実際に関わりながら、本をつくっていくものです。生徒それぞれが具体的にどのような対象と関わっていくのか。絵コンテの発表を通して、少しずつ明確になっていきました。きっと、その結びつきを束ねていくことで、一冊の本ができあがっていくのだとも思います。
絵コンテを磨いていくことで編集技術を学ぶ
今回の本作りでは、生徒一人ひとりが見開き3ページ分を担当し、それぞれのテーマを表現していきます。紙面の限られたスペースの中で、写真や文章を使ってどのようにテーマを表現すべきか。見開き3ページにわたって、どのように構成を立てていくべきか。山若さんからアドバイスをいただきながら、それぞれの絵コンテをブラッシュアップしていきます。
「複数のお店を紹介するページにするなら、レイアウトを統一感のあるものにするのが良いかも。紙面をごちゃごちゃさせずに自分が一番伝えたいお店の特徴や魅力的な部分を最大限活かすことを大切にしよう」「街での発見を集めた図鑑のようなページにするなら、テーマそのものの紹介文だけではなく、写真一つひとつに小さくコメントを入れてみると良いかも。なぜその写真を選んだのか、そこからどんなことを感じたのか、という部分がわかることで読者にとってより面白い記事になるはず」と山若さん。実際に販売されている雑誌の紙面を例にあげながら、個々のテーマに合わせた具体的な編集のテクニックや工夫も紹介してくれます。
有楽町での発見やインスピレーションをどのように本として落とし込んでいくのか。山若さんと生徒の皆さん一人ひとりとが対話を重ね、絵コンテを手直ししていくことで、その方法を探っていくような機会となりました。
次回は、改めて街に繰り出し実制作をスタート
実際に有楽町の人やお店と関わり合いながら本をつくる。だからこそ、絵コンテを吟味していくとともに、お店へのインタビューや写真撮影などの実制作に向けて、必要な段取りを想像していくことも大切なプロセスです。事前の許可申請や取材先へのご挨拶も経ていきながら、次回の授業では有楽町に改めて繰り出して、写真撮影やインタビューを進めていきます。