「dialogue editing」第2回 フィールドワーク
「写るんです」を携えて街を歩く
「dialogue editing」は、都市を舞台とした編集のクラス。中野を舞台に、街や人と関わり合いながら、それぞれに感じ・考え・生み出したものを一冊の本という形にまとめ上げていきます。
12月7日の第2回授業では、中野の街でのフィールドワークを実施。グループに分かれて街でランチをしたり、それぞれの心が動いた風景を「写るんです」で撮影したり、街で自由に時間を過ごしながら、創作に向けたインスピレーションを掴んでいきました。
街を決めつけないこと
「今日はとにかく、ぶらぶら街を歩いてみましょう。人にも色々な側面があるように、中野にも色々な街並みがある。人に向けるような眼差しを都市に向けるということを、それぞれにしてもらいたい。人も街も、決めつけない。そして、まずは理由がわからなくても、自分の心が動いた瞬間を写真に収めていきましょう。歩きながら生まれる会話も大切にしながら、ゆっくり街で時間を過ごしてみてください」と、熊井さん。今回の撮影機材として27枚撮りの「写るんです」がグループに1台配布され、およそ2時間にわたるフィールドワークがスタートしました。(今回の記録写真も「写るんです」で撮影しました)
今回は3人1組で街を歩くので、シャッターを切れる枚数は一人9枚。撮影枚数に限りがあったり、撮り直しができなかったりと、普段スマートフォンやデジタルカメラで撮影するときとは異なる緊張感があります。しかし、制限があるからこそ、「ここはどうしても撮っておきたい」「少し気になるけど、まだ残しておこう」と、自分自身の心の動き具合を推し量る一つのものさしにもなっていきます。また、その気持ちをグループ同士で分かち合う時間も、とても愉しく、刺激的なものです。街でじっくり時間を過ごしながら、その風景や会話の中に自分の心象や着眼を浮かび上がらせていくような機会になっていきました。
自分自身のキーワードになる言葉を捉えていくために
グループでのフィールドワークを踏まえながら、それぞれにもう一度中野の街を訪れることが次回の授業までの宿題になりました。テーマは、「はじめてのことを、この街でやってみる」「好きなことを、この街でやってみる」「丸一日、この街で過ごす」の3つ。
「どれか1つでも、3つ全部やってみるのでも、自分の気持ちが向く活動を、ぜひ中野に訪れてやってみてください。一人でも、誰かと一緒でも大丈夫。授業内の時間だけでは、気づけないことや感じられないこともあると思います。今回の授業とそれぞれの街での実践を踏まえながら、本作りに向けた自分自身の『キーワード』になるような言葉を探っていってもらえたら」と熊井さん。また、阿久根さんからは、「キーワードを考える上では、街でいろんな体験をするのももちろん大切だし、図書館に行ってみるのもおすすめ。先人たちの知恵や考えの中にしっくりくる言葉を見つけたり、自分がなんとなく受け取っていた感覚がより深まっていったりと、多くのインスピレーションがあります。実際に私もそういう時がたくさんあります。自分の感覚を大事にしつつ、良いメディアと知り合って欲しい」と、生徒の皆さんそれぞれの活動を後押しするようなコメントが贈られました。
次回は、それぞれの都市体験を分かち合う
次回は、「写るんです」で撮影した写真とともにそれぞれの街での体験を分かち合いながら、本作りに向けた「自分自身のキーワードとなる言葉」を少しずつ探っていきます。
写真・執筆:佐藤海