REPORT

「歓待としてのキュレーション(第2期)」第4回 経過発表

リサーチとアーカイブを行き来しながら実践を深める
インディペンデント・キュレーターの池田佳穂さんと共に開講している、アートキュレーションをテーマとしたクラス「歓待としてのキュレーション」。第2期となる今回は、多岐にわたるキュレーターの役割の中で特に「リサーチ」に重きをおきながら、都市を舞台に実践することを通して、キュレーションという営みの可能性を探求していきます。

渋谷の街なかを舞台に、それぞれが考案した「キュレーション的なリサーチ」の方法を実践していった前回。1月25日(日)に開講した第4回では「経過発表」として、それぞれの実践の進捗を持ち寄り、会話を重ねていきながら、活動のアーカイブの仕方についても検討を進めていきました。

キュレーション的なアーカイブ方法
「それぞれが自分なりのリサーチの方法論を見出しつつある状態だと思います。リサーチとアーカイブは常にセット。リサーチの方法によってより良いアーカイブのあり方も変わってくる。だから、引き続きそれぞれ実践を重ねてもらいつつ、同時にアーカイブの仕方にも意識を向けていきたいと思います」と、熊井さん。今回の授業では、それぞれの実践をケーススタディにしながら、熊井さんと池田さんから「アーカイブ」の多様なあり方が示されていきました。

そこでは、「重み付け」という言葉がキーワードになっていきます。リサーチ活動を通して、経験したことや感じたこと、考えたこと。その中のどの部分に重きを置くべきか。そして、そこからどのようなことを見出していくか。「単に『残す』ということのみならず、次の自分自身の実践に繋げていくためのものや、オープンソース化して他者と方法を分かち合うためのアーカイブというものもあるはず。自分の実践をどのように他者に伝え、共有したいかということをぜひ考えてみてほしい」と、池田さん。また、そのあるべき姿を探っていくことこそが、キュレーション的な営みでもあると言います。

その他にも、「量的なリサーチと質的なリサーチというものがある。回数を重ねるということだけでなく、体験をしたことをじっくり味わい直すということも、リサーチにおいて重要なプロセス」「まずは身近な他者と、どのように分かち合えるかという視点を大切にしてほしい。最初から多くの人に、わかりやすく伝えようとすると薄まってしまう場合がある」「耳を傾けたくなるアーカイブとは何か?という視点も重要」と、池田さんと熊井さんから、生徒の皆さん一人ひとりに向けてフィードバックが贈られていきました。

次回は、それぞれのアーカイブを持ち寄り、リサーチの成果発表
今回の授業を踏まえ、それぞれの「キュレーション的なリサーチ」の実践の記録やそこでの気づきを個々のアーカイブとして取りまとめてくることが次回までの課題になりました。次回の授業では、それらを持ち寄って一連の活動を振り返りつつ、「歓待としてのキュレーション」のクラス全体としての実践のアーカイブ方法を検討していきます。

撮影・執筆:佐藤海

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