REPORT

「歓待としてのキュレーション(第2期)」第2回 リサーチとアーカイブ方法を考える

リサーチやアーカイブにおけるキュレーションの手つき
インディペンデント・キュレーターの池田佳穂さんと共に開講している、アートキュレーションをテーマとしたクラス「歓待としてのキュレーション」。新しかったり異質だったりするアイディアや存在を迎え入れること。「キュレーション」をそのようなこととして捉え、全7回の授業を通して都市を舞台に実践していきます。

池田さんご自身のこれまでの実践を通して、このクラスの活動テーマを紐解いていった前回の初回授業(レポートはこちら)。12月7日(日)に開講された第2回では、キュレーターの多岐にわたる役割の中で今回特に重きをおいて実践する「リサーチ」について、国内外の具体的な事例を通して学んでいきました。

手段でありながら、それ自体が目的になりうるというリサーチのあり方
キュレーション的なリサーチの手つきとはどのようなものか。池田さんがインドネシアで学び、ご自身の活動の中で大切にされている「Exhibition As A Social Playground(社会的な遊び場としての展覧会)」という言葉。「キュレーションの対象をオブジェクト(作品)だけにとどめず、そこに集う人々やコミュニティ、さらには社会へと広げていく」ものとして展覧会を捉えて実現していこうとするとき、その手前にある「リサーチ」のあり方も、自ずとそのようなものになっていきます。

例えば、ドイツ・カッセルで行われた国際芸術展「ドクメンタ15」での実践。本展で芸術監督を務めたインドネシアのアートコレクティブ「ルアンルパ」は、開催のおよそ2年前からカッセルに移住し、土地やそこにいる人々と関わり合うことを通して、展覧会のプランを構想していきました。「暮らす」ことを通したリサーチ。そこで培われた実践や知見は展覧会のみに留まらず、地域社会に根付き、展覧会終了後も地域の人々によって継続されている活動が複数あるそうです。

展覧会に向けたリサーチ活動でありながら、それそのものが意味や価値を帯び、展覧会が終わっても続いていく、というあり方。熊井さんは「オープンエンドとクローズエンド」という言葉をキーワードにおき、このクラスでの活動の方向性を示していきます。「『オープンエンドとクローズエンド』という視点で考えると分かりやすいかもしれません。池田さんやルアンルパの実践は活動が終わらずに、むしろどんどん広がって、リサーチという手段ではありながら、それそのものが目的化されていくようなもの。このクラスでは、そのような『オープンエンド』なリサーチの方法論を、それぞれが手にしていくことを目指していきたいと考えています」。

次回は、それぞれが自分の「リサーチ方法」を見出し、都市で実践する
次回の授業では早速、それぞれが自分なりの「キュレーション的なリサーチ」の手法を考案し、渋谷の街を舞台に実践してみることに。

「私がリサーチ方法として実践している『池田BAR』もそうですが、試行錯誤を重ねることで、自分なりの手法が確立されていき、場や状況に合わせて応用可能なものになっていく。そのためには、いかに無理なく続けていける方法にするか、ということを考えるのもとても大切です。自分の好きなことや得意なことを入り口に、とにかく自分が愉しく、『健康的』にできるようなリサーチの方法をそれぞれぜひ考えてみてもらえたら」と、池田さん。実践に向かう生徒の皆さんに対するエールの言葉で、授業が締めくくられました。

撮影・執筆:佐藤海

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