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「オブジェクト・ベースト・ラーニング実践」を開催します

はじめに

「オブジェクト・ベースト・ラーニング(以下、OBL)」は、イギリスやオーストラリアの大学を中心に、文化財への新しいアプローチとして近年盛んに試みられている学びの方法です。アート作品や学術資料といった複雑な意味や歴史を内包する「オブジェクト」との出会いから、感覚を研ぎ澄ましたり、考察を深めたり、対話を重ねつつ、自分なりの解釈を育んでいきます(その「出会い方」を大切にするためにも、鑑賞する作品については当日までの秘密となります)。

今回の「OBL実践」の舞台は、現代社会における芸術活動の役割をテーマに理論研究と実践活動を広く展開している「慶應義塾大学アート・センター」。慶應義塾大学所蔵の美術作品や学術研究の成果等がアーカイブされています。講師は、同センターでキュレーターを務める渡部葉子教授。東京都美術館、東京都現代美術館における学芸員を経て、近年は日本におけるOBLの第一人者として、その研究や普及にもご尽力されています。

日本ではあまり聞き馴染みのないOBL。レクチャーを聞くだけというものでもなく、一人ひとりが黙々と手を動かすだけというものでもなく、具体的なオブジェクトを目の前に、内省や対話を重ねていきます。「感じて・考えて・伝える」ということ。それは、いつの時代でも、どのような年齢でも、とても大切なこと。OBLでは、それを誰もが経験し、自分なりの意味や意義を手にすることができるように、スモールステップで進むカリキュラムが構成されています。アートに関心がある方はもちろん、これまでアートと積極的な関わりがなかった方も、是非この機会にご参加ください。

 

開催概要

日程:2023年8月18日(金)14:00〜17:00
会場:慶應義塾大学アート・センター(三田キャンパス南別館1階アート・スペース)
対象:10代(中学生以上)
定員:15名程度
参加費:無料
講師:渡部葉子(ミュージアム・コモンズ副機構長/慶應義塾大学アート・センター教授・キュレーター)
主宰:慶應義塾大学アート・センター、GAKU

 

プロフィール

 


慶應義塾大学アート・センター

慶應義塾大学アート・センターは、1993年に開設された学内唯一の芸術に関わる研究所です。2011年からは慶應義塾大学アート・スペース(三田キャンパス南別館1F)の運営も担い、展示活動を活発化させています。
http://www.art-c.keio.ac.jp/

 


渡部葉子

ミュージアム・コモンズ副機構長/慶應義塾大学アート・センター教授・キュレーター
近現代美術史を専門とし、東京都美術館、東京都現代美術館において学芸員として活動。2006年より慶應義塾大学アート・センターにて、展覧会や各種催事を企画実施する(現代美術のシリーズ展など)とともにアート・センターが所管するアーカイヴの活動にも関わる。「東京ビエンナーレ’70」研究プロジェクトや慶應義塾の建築プロジェクトなど、アーカイヴ活動と展示やワークショップを結びつけた活動を実践している。近年はOBL(オブジェクト・ベースト・ラーニング)に関心を寄せ、KeMCoにおいて展開しようと試みている。

 

プログラム

わたしたちは普段なにかを見ているようで、じっくりしっかり「見る」ということはあまりしていません。であるからこそOBLでは、アート作品や学術資料といったオブジェクトをじっくりよく観察してみたり、自分の心の動きに意識を向けてみたりしていきます。そこには、絶対的な正解も不正解もありません(むしろ、それをみんなで導き出すプロセスそのものが大切です)。どのように見えたか?ということの自由さをみんなで味わっていけたらと考えています。そして、感じたことを言葉にしてみたり、きっとこうなんじゃないかな?と考えを広げていったり、もしもこうだったら?と想像を膨らましていったり。そういった経験は、きっと10代のみなさんのこれからの可能性を育むことになるはずです。

1)観察する
大きさ・形・色・手触り・匂い。「観察」と一口に言っても、さまざまな切り口があります。ここでは、参加者が自分の感覚を研ぎ澄ませながらオブジェクトと向き合い、感じたことを言葉にして書き出していきます。

2)考える
なんのために存在したのか?どのような使われ方をしていたのか?観察したことを踏まえて、オブジェクトの背景や成り立ちを考察します。

3)想像する
オブジェクトが社会や文化へどのような影響をもたらしてきたか?もたらすことになるのか?視野を広げながら想像します。

4)発表と振り返り
1)〜3)の成果をグループごとにまとめて、全体で共有します。それぞれのグループの解釈が一同に介することで、新たな発見もあるはずです(なお、オブジェクトに関する学術的な研究成果も同時に発表されますので、専門家による解釈と比べて楽しむことができます)。

 

授業へのお申し込みに関して

GAKUの授業へのご参加を検討を下さいまして、誠にありがとうございます。お申し込みにあたりましては、参加される生徒様の保護者の方による、参加へのご同意及び下記注意事項へのご承諾が必要となります。 下記ご注意事項をご承諾いただいた上で、お申し込みフォームへお進みください。

授業お申し込みに関するご注意事項

 

お申し込み方法

1)お申し込み
peatixページより、参加チケットをお申し込みください。

2)受講確定・詳細のご案内
GAKUよりメールにて、受講確定のご連絡を差し上げます。併せて当日の集合場所や持ち物、注意事項等、授業の詳細をご案内をさせていただきます。

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お問い合わせ

GAKU事務局
info@gaku.school(担当:佐藤)