観劇プログラム第9回『Planet[wanderer]』を開催します

はじめに
GAKUでは、2021年度より演劇のクラス「新しい演劇のつくり方」を開講し、現在は第4期を開講しています。毎年、講師に多彩な演劇実践者の方々をお迎えし、演劇経験を問わず様々な10代が集まる機会を大切にしています。
このような取り組みと同時に、10代と演劇との出会いをもっと広げていきたいと考えています。そこで、本クラスのアドバイザーでもあり演劇ジャーナリストの徳永京子さんによる観劇プログラムを開催します。参加者の皆さんと一緒に演劇作品を観劇したのち、つくり手の皆さんも交えたディスカッションを通じてそれぞれの心象を交わすことで、個々の演劇体験を深めていきたいと考えています。
9度目となる今回は、本クラス総合ディレクターの岡田利規さんがアーティスティック・ディレクターを務める舞台芸術祭「秋の隕石2025東京」より、芸劇オータムセレクション『Planet[wanderer]』を取り上げます。本作は、欧州拠点の振付家ダミアン・ジャレさんと京都発の彫刻家名和晃平さんが京都と石巻で行ったリサーチ・ワークショップを起点に制作されたコラボレーション作品。観劇プログラムでは、本作のコンセプトと振付を手掛けられたダミアン・ジャレさんをゲストにお迎えします。演劇作品を初めて観る方も普段から観劇を楽しむ方も、またダンスや現代美術に興味関心をお寄せの方も、10代の方ならどなたでもご参加ください。
*ゲストとして、本作のコンセプトと美術を手がけられた名和晃平さんもお迎えすることが決定しました!(10/31更新)
観劇プログラム開催に寄せて
演劇をつくっているほとんどの人は、観た人の感想をとても大切にします。時には、公演中の作品のせりふや演出を変更するぐらいに(それを出来るのが映画との違いです)。ところが世の中にはなんとなく、正解はつくり手が持っているというイメージがあります。演劇に限らず芸術に正解はありません。正しい扉を探すのではなく、何枚も扉を開けて奥に進んでいく。その鍵は言葉です。同じ作品を観た人、作品をつくった人と同じ場所で、自分の感じたことを言葉にする、違う意見を聴く。その時、観ることもクリエーションになります。その練習を、一緒にしてみませんか。
徳永京子(演劇ジャーナリスト)
開催概要
日程:2025年11月3日(月・祝)14:30〜17:30
*60分(目安)の観劇時間が含まれます
会場:東京芸術劇場 プレイハウス(〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1)
対象:10代(中学生以上)〜20代前半
定員:10名程度
参加費:高校生以下 1,000円/19歳〜20代前半 5,500円
*本公演のチケット料金設定が適用されています
持ち物:年齢を証明できるもの(生徒証や保険証等)
[主催]GAKU
[協力]東京舞台芸術祭実行委員会
お申し込み(peatixページ)はこちら
*定員に達したため、キャンセル待ち申し込みを受け付けています
*先着順、10月31日(金)23:59締切
*Peatixサイトの仕様により、一部対応していないブラウザがございます。推奨環境については、こちらよりご確認ください。
プログラム概要
この「観劇プログラム」では、演劇ジャーナリストの徳永さんがセレクトした公演を実際にみんなで観劇し、その作品の出演者や演出家の方々も交えながら、自由に感想を交わしていきます。感想といっても、上手くスムーズに言葉にする必要はありません。つまずきながらでも、それぞれが素直に自分自身のなかにある言葉をゆっくりじっくり探っていきながら、同じ場所同じ時間で同じ作品を観劇した体験における、個々の違いや共通項を見出していきながら、演劇を鑑賞する愉しさをじっくり味わいたいと思っています。
観劇予定の公演
舞台芸術祭「秋の隕石2025東京」 芸劇オータムセレクション
ダミアン・ジャレ×名和晃平『Planet[wanderer]』
コンセプト・振付:ダミアン・ジャレ
コンセプト・舞台美術:名和晃平
出演:ショーン・アハーン、エミリオス・アラポグル、カリマ・エル・アムラニ、フランチェスコ・フェラーリ、ヴィンソン・フレイリー、クリスティーナ・ギエブ、アストリッド・スウィーニー、湯浅永麻
『Planet[wanderer]』は、2016年秋にロームシアター京都で世界初演を迎えた『VESSEL』*に続く作品です。『VESSEL』が日本最古の書物『古事記』の二つの世界、すなわち「黄泉の国(死者の世界)」と「高天原(神の住処)」を描いたのに対し、『Planet [wanderer]』は三つ目の世界である「葦原中国」—私たちが生きる世界を舞台にしています。本作では人間が葦のように、力と脆さ、調和と生存、破壊と進化の間に揺れ動く様子が表現されます。副題の「wanderer」は、「Planet(惑星)」の語源となるギリシャ語に含まれる「さまようもの」という意味とも呼応しています。生者と死者の境界線で、人間の身体と宇宙世界の構成要素や重力の不可分な関係を描き出す本作は、日本の彫刻家と欧州の振付家の共同作業ならではの唯一無二の世界観を提示します。
*『VESSEL』: 2020年ローレンス・オリヴィエ賞最優秀新作ダンスノミネート
(公式サイトより概要文を抜粋)
色々な作品に携わってきましたが、この作品は特別で、幕が開く直前は自分の身体が宇宙の埃になって、暗闇を漂い、まだ生命体がない生まれたての地球にゆっくり降りてくるような不思議な感覚になります。色んな文明が栄えて滅び、いつか人間がいなくなってこの地球も終わりを迎る事を想像すると、今この惑星上で起こっている様々な事象の意味を考えたりします。幾つもの破壊と誕生の繰り返しの中に身体を持って存在し、あらゆる事を経験できる事の稀有さをダミアンと名和さんが作り上げたこの作品を通して感じています。数年間のツアーを経て暖かい絆を築いた大切なキャストや、最高のスタッフ全員と、やっと日本ツアーが実現する事、本当に嬉しく思っています!
(公式サイトより出演・湯浅永麻氏コメントを抜粋)
公式サイトはこちら
*本作品では出演者がトップレス(上半身裸)でパフォーマンスを行います。
ファシリテーター

©宮川舞子
徳永京子
演劇ジャーナリスト。東京芸術劇場企画運営委員。せんがわ劇場外部演劇アドバイザー。読売演劇大賞選考委員。日本舞台芸術ネットワーク理事。朝日新聞首都圏版に劇評執筆。ステージナタリーにコラム『眼鏡とコンパス』連載中。ローソンチケットウェブメディア『演劇最強論-ing』企画・監修・執筆。著書に『「演劇の街」をつくった男─本多一夫と下北沢』、『我らに光を─蜷川幸雄と高齢者俳優41人の挑戦』、『演劇最強論』(藤原ちから氏と共著)。
ゲスト
ゲストには、本作のコンセプトと振付を手掛けられた、振付家でダンサーのダミアン・ジャレさん、同じく本作のコンセプト、そして美術を手掛けられた彫刻家の名和晃平さんをお迎えします。ジャンルを越境して活動を続けるお二人の視点も交えながら、個々の観劇体験を深めていきたいと思います。

©Rahi Rezvani
ダミアン・ジャレ
振付家・ダンサー。ダンスをはじめ、視覚芸術、音楽、映画、舞台、ファッションなど、その活動は多岐にわたる。名和晃平との協働作品に、『VESSEL』(2016年)、映像作品『Mist』(2021年)、『Planet[wanderer]』(2021年初演)がある。近作では、2023年11月にアーティストのJR、作曲家トーマ・バンガルテルとのコラボレーションにより、パリ・オペラ座のファサード足場を舞台に、プリンシパルダンサーのアマンディーヌ・アルビッソンをはじめとする154人のダンサーが踊る『Chiroptera』を創作。2024年9月には、名和晃平と再びコラボレーションし、THEATER 010(福岡)にて、トーマ・バンガルテルの楽曲による『Mirage [transitory]』を発表。これは、2025年5月にスイスで初演された、ジュネーヴ大劇場バレエ団の大舞台と16名の出演者のための創作の予備的作品となった。映画では、ルカ・グァダニーノ監督によるリメイク版『サスペリア』(2018年)、ポール・トーマス・アンダーソン監督『ANIMA』(2019年)、ジャック・オーディアール監督『エミリア・ペレス』(2024年)にて振付を担当。2022年、フランス芸術文化勲章オフィシエ章を受章。

©Michael Somoroff
名和晃平
彫刻家。1975年大阪府生まれ。京都を拠点に活動。2003年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程彫刻専攻修了。京都芸術大学教授。2011年東京都現代美術館で個展「名和晃平‐シンセシス」開催。2017年、ポンピドゥー・センター・メッスで開催された「ジャパノラマ」展に参加。2018年7月から2019年2月にかけて、パリのルーヴル美術館ピラミッドにて、日仏合同プロジェクト「ジャポニスム2018」公式企画のひとつとして、彫刻作品《Throne》が展示された。2023年、フランス・セーヌ川のセガン島に高さ25mの屋外彫刻作品《Ether (Equality)》を恒久設置。
*ダミアンさんは仏/英語話者のため通訳が同伴します。
*トークゲストは予告なしに変更になる場合があります。その場合には本作に携わる他クリエーターが登壇予定です。
授業へのお申し込みに関して
GAKUの授業へのご参加を検討を下さいまして、誠にありがとうございます。お申し込みにあたりましては、参加される生徒様の保護者の方による、参加へのご同意及び下記注意事項へのご承諾が必要となります。 下記ご注意事項をご承諾いただいた上で、お申し込みフォームへお進みください。
お申し込み方法(10月31日締切)
1)キャンセル待ちのお申し込み
Peatixページより「キャンセル待ち申し込みチケット」をお申し込みください。その時点でのお支払いはございません。
2)その後のご案内
10月31日(金)までにキャンセルが発生した場合、順次受講およびご入金のご案内させていただきます。同日までに発生しなかった場合、速やかにその旨をご案内させていただきます。
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お申し込み(peatixページ)はこちら
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お問い合わせ
GAKU事務局
info@gaku.school(担当:杉田)