トークイベント「教室が劇場になること、劇場が教室になること」を開催します
はじめに
GAKUでは、11月より演劇のクラス「新しい演劇のつくり方」が始まります。音楽、絵画、建築、文学、身体表現など。さまざまな要素からなる演劇は総合芸術とも呼ばれ、海外では演劇教育(ドラマ教育)が盛んです。日本でも、演劇を授業に取り入れる公立高校もみられる他、今年度より日本で初めて「芸術文化観光」を深く学ぶ「芸術文化観光専門職大学」が開校されるなど、その普及が進んでいます。一方で、そのような教育機関の数はまだ限られているのが現状です。演劇も教育も、ともに人の想像力と創造力があふれる時間と場所であるはず。演劇を人の学びという観点からみるとどうみえるか?逆に、教育を演劇の観点からみるとどうみえるか?異なる立場のお二人をお招きし、トークセッションを開催します。
山本卓卓さん(劇作家・演出家/「範宙遊泳」代表)は、今回の新しい演劇のクラス「新しい演劇のつくり方」の講師を務められます。近年は日本国内のみならずアジア諸国からも注目を集め、マレーシア、タイ、インド、中国、シンガポール、ニューヨークで公演や共同制作も行われています。今回の「新しい演劇のつくり方」でも焦点をあてる作品「うまれてないからまだしねない」は、第59回岸田國士戯曲賞最終候補にノミネートされています。山本さんは、個人と集団と作品の豊かさは比例しなければならないとし、上からのトップダウン的な作品のつくり方ではなない、演劇のつくり方をつくるということに重きを置かれています。
高尾隆さん(東京学芸大学芸術・スポーツ科学系音楽・演劇講座演劇分野准教授)は、演劇教育者であり即興演劇を展開するキース・ジョンストンに師事し、ご自身も即興演劇ワークショップを開催しながら、教員を養成する大学で教鞭をとられています。高尾さんは、「インプロは創造性をあなたに与えない。しかし、あなたの中にすでにある創造性を掘り起こす手伝いをする」とし、創造性がスポンタネティ(意識することなく自然)に生まれてくるための理論と実践を往復しながら活動をなされています。その理論の1つに「がんばらない」というものがあります。そこには、人の恐れや萎縮をどう対処していくべきかという考察があります。
立場は違えど、重なるところ。違うからこそ、浮かび上がってくるもの。お二人に、さまざまな問いかけをさせていただきつつ、お二人同士の対話やもちろん参加者の方からの投げかけをいただき、演劇と教育の重なるところを紐解いていきたいと思います。みなさまのご参加をお待ちしています。
開催概要
名称:教室が劇場になること、劇場が教室になること
日時:2021年10月17日(日)14:00〜17:00
会場:渋谷PARCO9階 GAKU
参加費:無料
対象:演劇や教育に関心のある方
定員:15名(現地参加/先着順)
*オンライン参加も受付けます
*お申込み時に是非ご質問等をお寄せください
登壇:山本卓卓(劇作家・演出家/「範宙遊泳」代表)、高尾隆(東京学芸大学芸術・スポーツ科学系音楽・演劇講座演劇分野准教授)
進行:熊井晃史(GAKU事務局長)
お申し込み
1)下記フォームよりお申し込みください。
現地参加応募フォームはこちら
オンライン参加応募フォームはこちら
2)フォーム送信後、自動返信メールにてお申し込み完了とさせていただきます。メールが届かない場合はお手数ですが、下記よりお問い合わせください。
内容
トークセッションならではの魅力として、予め決められた話をなぞっていくよりも、前後左右に動いていくいきいきとした「雑談」をしていけたらと考えています。まとまったお話をお知りになりたい方は、検索するとインタビュー記事もありますし、高尾先生の著書も理論や実践の様子が体系立てられて紹介されていますので、ぜひそちらも触れていただけたらと思います。とはいえ、はじめましての方にもきちんとお伝えしていけるように、予め次のような質問はとりかかりとして用意をしておけたらと思います。
・お二人の普段の活動は?
・ご自身の10代のときは学校は好きでしたか?文化との出会いは?
・演劇はハードルが高いもの?
・世界の、日本の演劇教育の現状は?
・創造力ってなんでしょう?
・創造性を育むために「頑張らない」とは?
・演出って何するの?
・個人・集団・作品の豊かさが比例するとは?
・演劇が劇場を飛び出たらどこへいく?
登壇者プロフィール
©雨宮透貴
山本卓卓(やまもと・すぐる)
劇作家・演出家。「範宙遊泳」代表。1987年山梨県生まれ。幼少期から吸収した映画・文学・音楽・美術などを芸術的素養に、加速度的に倫理観が変貌する現代情報社会をビビッドに反映した劇世界を構築する。アジア諸国や北米など9ヵ国で公演や国際共同制作、戯曲提供なども行い、活動の場を海外にも広げている。『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞と最優秀作品賞を受賞。公益財団法人セゾン文化財団フェロー。急な坂スタジオサポートアーティスト。ACC2018グランティアーティストとして、2019年9月〜2020年2月にニューヨーク留学。2020年5月に「むこう側の演劇」を始動し、オンラインも創作の場として活動している。
⾼尾 隆(たかお・たかし)
東京学芸大学芸術・スポーツ科学系音楽・演劇講座演劇分野准教授。1974年島根県松江市生まれ。1998年東京大学文学部卒業。2004年一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。インプロ(即興演劇)、吹奏楽教育。インプロをキース・ジョンストン氏などに師事。学校、劇場、企業、地域などでインプロ・ワークショップをおこなう。主宰するインプログループ「即興実験学校」ではワークショップをおこなうかたわら、舞台にも立つ。著書に『インプロ教育:即興演劇は創造性を育てるか?』『インプロする組織』(共著)『学校という劇場から』(共著)『ドラマ教育入門』(共著)『クリエイティヴ・アクション』(共著)など。
参考リンク集
・範宙遊泳公式サイト
https://www.hanchuyuei2017.com/
・範宙遊泳『うまれてないからまだしねない』(2019)【無料公開/期間限定】
https://www.youtube.com/watch?v=6mVUw5ce2IU
・東京学芸大学 高尾隆研究室 ウェブサイト
https://domingolabo.net/
・即興実験学校
https://improlabo.net/
お問い合わせ
GAKU事務局
info@gaku.school(担当:杉田)