関係美食論 第7回 メニュー考案

ついに定食メニューを考案
「関係美食論」の教室は、馬喰横山のミシュラン1つ星レストラン「nôl」。シェフ 丹野貴士さんをメイン講師に迎え、東京という都市で育まれた地元の食材や生産者との出会いを通じて、美食を関係から捉え、「一汁三菜定食」という料理に落とし込んでいきます。
この日の授業では、これまでを振り返り「intimacy」を再解釈しあった後に、定食のメニューを考案していきました。

フィールドワークを通じて感じた「労」と「愛」
3箇所のフィールドワークを振り返り、見学前と後で自分自身にどのような変化が生まれたか、そしてどのような「intimacy」を感じ、意識することができたか、共有していきます。「しいたけは苦手な食べ物だけど、見学後食べてみたいと思えた。やっぱり味は苦手だったけど、距離感が縮まった」「見学後、家族と話しながら持ち帰ったしいたけを食べた」「見学で聞いてきた小松菜のことを、自然に友達に伝えたくなった」「西野さんが広大な土地をひとりで管理していることが、本当に大変だなと忘れられない」など、まずはそれぞれが訪問したフィールドワーク先で感じたことを話し合いました。
さらにそこから、「食」「生産者」という観点から考えていきます。「作り手の愛情が込められた食材は、消費者へのバトンだと感じた」「当たり前のことだけど、食にもっと感謝して大切にしたいと感じた」「いとおしさには『労』の漢字が使われていたそうだが、畑で作られた野菜たちを消費者が『美味しい』と感謝することで『愛』に変わることができるのではないか」など、生産者との出会いを通して皆の食との向き合い方に小さな変化が生まれたことが伺えました。さらに対話の後半では、「東京産の野菜を広めるにはどうするか」という議論も。「小規模生産のためブランド化し正規価格で販売すべきだ」という意見と「より多くの人に知ってもらうために高額にすべきではない」という意見とともに、「安く設定すると消費されてしまうのでは」「東京は消費に偏る大都市だからこそ、東京の生産者を大事にしたい」といった想いも交わされていきました。消費者である私たちはどうしていくべきか。この問いには、これからも皆で向き合っていきたいと思います。

東京の地産地消で叶える「一汁三菜定食」
フィールドワークでリサーチした西野農園のお米とかぶ、門倉農園の小松菜、そしてKinoko Tokyoのしいたけを使用します。授業の後半では、それらを素材として「一汁三菜定食」の「三菜」のメニューを考案。それらをもとに次回の授業までにシェフの皆さんが実際に調理して形にしてきてくれます。どんな定食に仕上がるのか。これまでの成果を実食する機会になることが楽しみです。
執筆・撮影:松村ひなた