REPORT

「服を解剖する」ROCKET×長谷川彰良さん

「100年前の服って、どんな服?250年前とはどう違うの?」

異才発掘プロジェクト「ROCKET」と、衣服標本家・長谷川彰良さんによるクラスを開催しました。今回の参加生徒は20名ほどで、10代前半くらいの子どもたちが集まりました。

各自が持ってきた服を「解剖」したり、100年前の服やもっと昔の服に実際に「触れる、まとう」というプロセスを通して、それぞれの構造の違いを学ぶ授業。「100年前の服」を実際に着てみると、硬くて伸びないのに動きやすかったり、コートがツナギに変形したり。現代にはない不思議な要素がいっぱいです。「どうしてこんなところにポケットがあるんだろう」、「この姿勢がとても楽だけどなんでだろう」と実際に体を動かして確認しながら、想像しながら。服の用途や、当時の暮らしの様子を紐解いていきました。

100年前の服は職人さんがほとんど手作業で、着る人に合わせて作っていたため注文してから到着まで半年くらいかかっていたそう。現代の服は機械で大量に生産するため、様々な人の体にフィットするような伸縮性のある素材に変化していきました。100年前に比べて、安く手軽に手に入るようになった現代の服ですが、その変化によって大量に消費され、多くの資源が無駄になってしまっている現状もあります。どうしたらこのような問題が解決できるのか、環境問題についてもみんなで考えました。

買って、着て、いらなくなったら捨てて。普段生活の中に何気なくあった「服」を実際に解いてじっくり観察することによって、服自体の構造だけでなく時代の流れや環境の変化などなど、「衣服」というジャンルを超えた、様々な学びがある1日でした。

先生紹介

長谷川 彰良(Akira Hasegawa) / 衣服標本家 モデリスト デザイナー

1989年生まれ。10歳ごろから洋服作りに目覚め、エスモードジャパン卒業後、アパレル企業にてモデリストとして活動。2016年よりフリーのモデリストとなり「半・分解展」を始める。フランス革命から第二次世界大戦ごろまでのヨーロッパの紳士服を分解して展示する「半・分解展」では、古い服を分解して作った型紙から複数サイズの試着サンプルを作り、来場者に実際に着てもらうことで、100年前の「着心地」を伝える。2018年には東京、名古屋の展示で2000人を超える来場者を記録。2020年3月まで、新宿伊勢丹メンズ館で長谷川の衣服標本が展示中。

http://rrr00129.blogspot.com

 

異才発掘プロジェクト ROCKET

東京大学先端科学技術研究センターと日本財団が協同で運営する教育プログラム。“Room Of Children with Kokorozashi and Extra-ordinary Talents”(志あるユニークな才能を有する子ども達が集まる部屋)の意味。学びの多様性を切り拓くことを目指す。ユニークさ故にそこに馴染めない子ども達が学校にいなければならない事で不適応を起こす現状に対して、新しい学びの場所と自由な学びのスタイルを提供する。2019年度は、渋谷区と共同でプロジェクトを実施中。

https://rocket.tokyo